テスト

竹取の翁、竹を取るに、この子を見つけてのちに竹取るに、節を隔ててよごとに金(こがね)ある竹を見つくること重なりぬ。かくて翁やうやう豊かになりゆく。

 この児(ちご)、養ふほどに、すくすくと大きになりまさる。三月(みつき)ばかりになるほどに、よきほどなる人になりぬれば、髪上げなどさうして、髪上げさせ、裳(も)着す。帳のうちよりも出(い)ださず、いつき養ふ。この児のかたちけうらなること世になく、屋(や)のうちは暗き所なく光満ちたり。翁、心地あしく苦しき時も、この子を見れば、苦しきこともやみぬ。腹立たしきことも慰みけり。翁、竹を取ること久しくなりぬ。いきほひ猛(まう)の者になりけり。

 この子いと大きになりぬれば、名を三室戸斎部(みむろどいんべ)の秋田を呼びてつけさす。秋田、なよ竹のかぐや姫とつけつ。このほど三日、うちあげ遊ぶ。よろづの遊びをぞしける。男はうけきらはず呼び集(つど)へて、いとかしこく遊ぶ。